今年の「なつたよ」が終わった。
ご縁ある作家さんたちのポストカードが集まった
昨年の展覧会では仕切りに徹していたので、
次は書くか!と気合いを入れての2016年。
『写しとることの葉』と題して、
写真家・松村シナさんに
「夏の手紙」をテーマにした言葉を投げつけて(笑)
あじきのおかあさんに甘えて、ギャラリーを拝借。
9日間に亘って
「夏の便りってええもんですよ!」と伝えてみた。
展覧会の挨拶文にも書いたけども、
シナさんと初めて会ったのは、2011年1月4日。
彼女は2羽のインコとともに暮らす主婦でした。
少しデザインができて、写真は趣味。
素人の「カメラ女子」取材だった。
松の内も明けぬうちから!
いい写真を撮るな、と思った。
いい色、いい構図、いいロケーション。
そして、なにより写真が好きなんやな、と思わせる力があった。
もちろん、そんな人は世の中にたくさんいる。
それでなくても、職業柄、プロのカメラマンたちと
一緒に仕事をしながらたくさんの写真を見てきた。
では、ただの写真好きである彼女にあった+αは何か。
情熱とか、夢とか、可能性とか、そんな漠然としたものではない。
あたしが感じたのは、朗らかな根性と旺盛な好奇心だった。
すごいものに目を輝かせて、すごい!と前のめりになれる素直さ。
面白そうなことに対する貪欲なアンテナと、それを摑むためのフットワークの軽さ。
そして、なにより自分を「運がいい」と認識していること。
それは、一緒にものづくりをする上で得がたい資質だし、
信頼に値する能力だと言っても過言ではない。
おこがましい言い方だが、チャンスを与えてみたらどう化けるか、と
悪戯心にも似た気分が生まれた。
そうして、彼女はあたしが投げる球を見事に受けたり打ち返したりして
写真教室の講師になり、雑誌で連載するまでになった。
してやったり。
恩を売って、今年の展覧会をやろうと持ちかけたって罰は当たるまい。
というわけで、
言葉ありきで、ことの葉を写しとった作品はどれも美しく、
言葉の存在感を損なうことなく、新たな印象を与えるものに仕上がった。
DMにはじまり、ことの葉が連なる風鈴、芳名帖、文鎮と
デザインを伴うさまざまなアイテムはすべてシナさんまかせ。
本当に助かった。
あのときの己の勘は間違ってなかった。
シナさん、これからもいい作品を生み出してください。
posted by しがない物書き椿屋 at 20:00
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