2008年02月27日

『潜水服は蝶の夢を見る』

「左目以外に麻痺していないものがふたつ。
 それは、想像力と記憶。」

この言葉が突き刺さって抜けない。
自伝に基づいた実話だからではなく、
そこにとてつもなく強固で清々しい
生と向き合った意志があるから。

原作は「潜水服は蝶の夢を見る」。
筆者は、ジャン=ドミニク・ボビー(42)、
雑誌『ELLE』の編集長。
3人の父親。

彼はある日、突然倒れてしまう。
そして目覚めたときには身体は麻痺。
唯一動かせるのは左目だけ。

己を憐れむのを止めた彼が身につけたのは
瞬きでコミュニケーションを取るという方法。
その驚異的な手段で、彼は自伝を綴る。
瞬きの回数なんと20万回以上!

例え、身体は潜水服を着たように重くても
蝶のように自由に羽ばたく想像力と記憶とで。
忍耐強く、率直に、そして熱い想いを胸に。

この映画、
左目だけで多くのことを語る
主演のマチュー・アマルリックを観られるだけでも
十分に素晴らしい作品に仕上がっている。


★★★★★


posted by しがない物書き椿屋 at 01:54 | 京都 ☔ | Comment(18) | TrackBack(1) | アフターシアター
この記事へのコメント
うわ、これ気になるー。
最近映画館に行かないので、新作状況がさっぱりなんですよねー。とは言え、こっちではもう終わってるだろうから、DVDになるまで待つか。。。
Posted by ココ at 2008年02月27日 04:31
映画館が苦手で、もう10年近く映画館に入っていません。が、この映画は観たくなりました。高知での上映はあるのか?いつなのか?


ふと、キャラメルボックスの『ヒトミ』という作品を思い出しました。
Posted by ぺんぎん at 2008年02月27日 06:44
>ココさま
新作って観出すと、予告やチラシに惹かれて続けて行くようになるんですよね。逆に、止まるとしばらく行かなくなる。
ワタシは映画館派なので、DVD化されるころには新作チェックで、すっかり忘れてるってことが大半です(笑)


>ぺんぎんさま
高知でも上映されること、願っております!

キャラメルは15年前くらいからほぼ欠かさず観に行ってますよ☆
Posted by 涼 at 2008年02月27日 09:56
めっちゃ気になって携帯で上映情報を確認したら・・・熊本では上映してないです・・・(TT)
まだ上映してないだけかな・・・

「アメリカン〜」の方は上映してるので次のレディースデイにでも原チャリで山越えして見に行きます!(片道1時間だ!)

最近の映画館ってシネコンばっかりになってきましたね。洋画は1回じゃ全部理解できなくって昔は必ず2回は見てたんですけど、今は入れ替え制になっちゃったから辛いです。
Posted by しっか at 2008年02月27日 10:48
めっちゃ気になって携帯で上映情報を確認したら・・・熊本では上映してないです・・・(TT)
まだ上映してないだけかな・・・

「アメリカン〜」の方は上映してるので次のレディースデイにでも原チャリで山越えして見に行きます!(片道1時間だ!)

最近の映画館ってシネコンばっかりになってきましたね。洋画は1回じゃ全部理解できなくって昔は必ず2回は見てたんですけど、今は入れ替え制になっちゃったから辛いです。
Posted by しっか at 2008年02月27日 10:49
すみません、2回書き込みになっちゃいました。
Posted by しっか at 2008年02月27日 10:52
>しっかさま
『潜水服は〜』は単館系作品なので、上映のない地域もあるかもしれません。残念! 日本の映画事情は決して恵まれてるとは言い難いので…。

『アメギャン』は、久しぶりに驚きの集中力で観ました(笑) 試写に行った仕事仲間たちも絶賛でしたよ♪
Posted by 涼 at 2008年02月27日 12:24
はい、ものすごーく興味のある映画です。
自由に体を動かし生活している私たちは
本当に感謝しなくてはいけないのです。

そういう意味では限られた中でも
生きる意志を失わずに生を全うする
主人公には脱帽です。
Posted by PAO at 2008年02月27日 13:49
>PAOさま
まさにその通り!
脱帽するしかない生きざまです。
Posted by 涼 at 2008年02月27日 14:39
この映画、私も注目してました^^(*初書き込みですが…)
あと、余談+私の推論なのですが、20万「語」の本を書くには
たぶん100万回の瞬きは必要だと思います。。
<キャッチコピーとして大きく書かれているんですが(><;)>
・・この数字だけでも圧倒されます。
地元で放映されるまでが長いですが、映画館で見ようと思います・
Posted by ゆう at 2008年02月27日 16:38
>ゆうさま
あら、数字を間違ってました??
チラシを読み間違ったかしら。
ぜひぜひ、映画館でご覧になってくださいませ。
基本、ワタシは映画は映画館で!をモットーとしてます。
なので、DVD化されても結局観ないことが多いんですよね…。

Posted by 涼 at 2008年02月27日 17:43
うちの地域(新潟)、ちょうど今やってるんですよ〜。
今週末にでも観に行こうと思っていました。

映画は映画館で。わたしもです。
「映画」にする必要があるからその作品は映画になったんだろうな、と思うとなんとなく。
Posted by くじらっこ at 2008年02月27日 18:52
涼さま

わたくし、フランス大好き人間でして、昨年の東京国際映画祭で一足先に見に行ってきたのでした。

フランス映画って映画祭に出ても後で上映されることが少ないから…と軽い気持ちで(笑)

そしたら…ものすごく感動してしまいました。感動したけど泣きたいけど泣けない。胸があたたかいものでいっぱいになる感じ。すごくすごく満ち足りた気持ち。エンドロールが終わった時会場から拍手が沸き起こりました。

主演のマチュー・アルマリックがあんなにかっこよかっとは!他の作品(例『キングス&クイーン』)では弱っちいオトコ役だったからか??とってもとってもステキですよね。

見た後、すぐに廃刊になっていた原作本を入手!

近々大好きな人ともう一度見に行きたいと思ってます!
Posted by うりうめ at 2008年02月27日 21:33
「ELLE」の編集者の方の実話ですよね?子どもの頃「ELLE」の服を愛用していたのでなんとなく気になってる映画です。

それにしてもなんという人生!派手な生活が一変して、左まぶただけ動かす暗い生活になってしまうなんて、誰が想像できたしょう?

しかしこの主人公は根性で自分の反省をつづりました。すばらしい。みんなに勇気や希望を与える映画だと思います。

Posted by 風太 at 2008年02月28日 01:19
こんにちは、はじめまして。もっぴー記事に数回コメントさせていただいたことがあるのですが、涼さん記事には初コメントです。この映画、私も2週間くらい前に新聞記事で知り、とても気になって切り抜きを取ってあります。追い込まれた状況の中でも支えた何かがあるのでしょうね。是非見てみたい映画です。
Posted by きゅっきー at 2008年02月29日 18:02
>くじらっこさま
映画館で観てこその「映画」だと
ワタシは思っておるのです。
家に立派なシアタールームがあれば別ですが。
でも、あの他人との時間・空間の共有こそが映画を観る醍醐味なんですよね〜。


>うりうめさま
いま、どこの本屋でも原作が面出しになってますね〜。

ワタシは実はフランス映画が苦手でして(笑)
フランス映画に出てくる女って概ね面食らうほど我侭なのが苦手なんです…。
なので、ついつい敬遠しがちなんですが。
今回は久しぶりに大アタリでした!


>風太さま
そうです。実話です。
己がもし彼の立場だったら……考えただけでも、彼の行動のすごさが迫ってきます。
とはいえ、フランス語だったから可能ですが、日本語でこの方法はより一層困難ですよね。


>きゅっきーさま
いらせられませ。コメントおおきにです。
もっぴ〜の方でお名前は拝見いたしました。
ぜひぜひ、ご覧になってくださいませ。
生きるということがどういう状態を指すのか、考えさせられる一作です。
Posted by 涼 at 2008年03月01日 01:13
こんにちは。
いい映画でした。あきらめないことを教えてくれます。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
Posted by kemukemu at 2008年03月01日 11:33
>kemukemuさま
いらせられませ〜。
ご覧になったんですね。
諦めないでいられるためには
大切な人たちの存在が不可欠だと
おしえてくれる映画でもありますね。
Posted by 涼 at 2008年03月02日 23:28
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