『アイーダ』by 劇団四季
現代の博物館から、ときは古代エジプトへと遡る。
ヌビア(現スーダン)に攻め入るエジプトの思惑の中、
軍を率いる将軍ラダメスは捕らわれてきたひとりの女性と出会う。
奴隷とは思えない凛々しさ。
彼女に興味を抱いたラダメスは、その女性アイーダを
許嫁であるファラオの娘アムネリスの召使にする。
接する機会も増え、互いに惹かれあうアイーダとラダメス。
しかし、アイーダは敵国ヌビアの王女であった。
『ロミオとジュリエット』とは一味違う、敵同士の恋。
多くの民から背負わされる期待と信頼が、ふたりを雁字搦めにしていく。
裏切れない。けれど、諦め切れない。
長い歴史が少しずつ積み上げた憎悪と復讐心が、ふたりの行く先を阻む。
失いたくない。けれど、すべては手に入らない。
(C)上原タカシ王女であるがゆえに、ファラオの後継者であるがゆえに、許されない想い。
ただ、愛しい。
それだけのことが、まるで罪であるかのようにその身に降りかかってくる。
ほのかな友情も、親との親愛も、民からの敬愛も。
すべてを投げ捨てて愛する人との未来を望めるほど女は器用ではなく、
すべてを投げ捨てて愛する人との未来を切り開こうと男は命を賭けた。
(C)上原タカシこの物語は、悲恋として語られることが多いかもしれない。
『ライオンキング』の黄金コンビでもある
ティム・ライス×エルトン・ジョンの美しい楽曲もまた切なさを演出する。
しかしこのふたりの恋は、究極のハッピーエンドだと言いたい。
手を取り合って、相手の温もりを感じながら、エジプトの土へと還る。
その至福。
それほどの人に出会えること、それほどまでに愛し合えること。
見ていて、いっそ清々しい。
ふたりを包む闇さえもあたたかく感じられるのは、
この恋が決して悲しいだけのものではない最たる証だ。
そして、彼らの恋を見事成就させることになる
女王となるアムネリスの覚悟こそが、この物語の核たる美しさ。
(C)上原タカシたくさんの男前がかっこよく踊るのも見どころのひとつで、
ファラオの取り巻きである踊り子たちの艶も眼福!
人生を変えるような愛はきっとあると、信じたい。
◇チケット予約◇インターネット予約
http://489444.com電話予約(10〜20時)0120-489444
当日券がわかるケータイサイト
http://shiki.jp/S席9800円、A席8000円、B席6000円、C席3000円
上演時間:約2時間45分(休憩含む)
posted by しがない物書き椿屋 at 16:37
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